人身事故の点数と罰金のすべて|免停になりたくない・不起訴になりたい

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点数・罰金
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人身事故の前提知識

人身事故は「過失運転致死傷罪」

人身事故を起こすと、原則として、自動車運転死傷行為等処罰法の「過失運転致死傷罪」で処罰される可能性があります。

同条では、「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」の罰金を規定しています。無免許運転や酒酔い運転など悪質な違反がない限り、原則としてこの条文が適用されると考えましょう。

「交通事故」と「人身事故」は違う

「交通事故」を起こすと、必ず点数が引かれて罰金が科せられるの?

実は、交通事故だからといって、必ず免許の違反点数や罰金が科せられるわけではないんです

というのも、交通事故には物損事故と人身事故があり、人が負傷していない場合は物損事故として扱われ、点数も罰金も支払う必要はありません

たとえば、車同士の衝突事故でも、相手が怪我をしていない場合は物損事故となり点数・罰金の支払いはありません

「診断書」の提出がポイント

また、仮に相手が負傷した場合であっても、すぐに「人身事故」になるわけではないことも覚えておきましょう。

被害者が病院に行って診断書をもらい、警察署に人身事故の届出をしてはじめて「人身事故」となります。

例外もありますが基本は、相手が診断書を警察に提出しなければ人身事故としては扱われません。

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人身事故の点数の考え方

人身事故の点数はどのように決まるのでしょうか?

人身事故の場合、違反点数以外にも人身事故を起こしたことによる付加点数というものが課されます。付加点数は「相手の怪我の全治日数」に応じて決まります

具体的には以下の通りです。

 違反者の不注意
での事故(専ら)
専ら以外
死亡事故20点13点
治療期間が3ヵ月以上もしくは
後遺障害が伴う人身事故
13点9点
治療期間が30日以上
3ヵ月未満の人身事故
9点6点
治療期間が15日以上
30日未満の人身事故
6点4点
治療期間が15日未満の人身事故3点2点

また上記表の通り、「事故状況」に応じて(専らと専ら以外)で点数が異なります。

不注意の程度が一方的で相手に過失が少ない場合は「専ら」、それ以外の被害者の過失も大きい場合は「専ら以外」となります。

「専ら以外」に該当する場合は、相手にも過失があるので、累積される点数が低くなります。

人身事故の点数の計算方法と具体的な計算例

具体的な計算方法と計算例をみて、ご自身の点数を把握してみましょう。

注意すべきポイントは、上記表の付加点数以外にも点数がプラスされることが多いことです。

計算式は、「事故原因となる交通違反の違反点+人身事故の付加点数」となります。

例1
安全運転義務違反 2点 +治療期間 15日未満(専ら)3点 = 5点

例2
赤色信号無視 2点+治療期間 30日未満(相手に過失あり)4点=6点

例3
速度超過20km未満  1点+治療期間 15日未満(専ら)3点=4点

ちなみに免停になるのは累積点数6点となる場合が原則です。

被害者の治療期間30日を超えると、かなりの確率で免停になってしまうことが分かります。

しかし、相手の治療期間が短い場合は免停を回避する可能性が高いです。

まとめ|人身事故=免停ではない

人身事故を起こしたからといって、必ずしも免停になるわけではありません。

免停になるかどうかは、「今回の事故の交通違反の点数+付加点数(+これまでの交通違反の点数)」の合計点数次第となります。

免停と違反点数の詳しい計算方法は下記のページもご参照ください

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人身事故の罰金の考え方

人身事故の罰金は相手の怪我の程度(全治日数)に応じて決まる

では、人身事故の罰金はどのようにして決まるのでしょうか?

人身事故で刑事上の罰則の罰則が科せられるのは、裁判で有罪となった場合です。人身事故の場合「起訴」されるとほぼ有罪になります。

罰金は、被害者の負傷の程度によって決まります。

具体的には、以下の通りです。

被害者の負傷の程度罰金
3ヶ月以上の負傷で後遺障害がある場合30-50万円
30日以上3ヶ月未満の治療期間20-50万円
15日以上30日未満の治療期間15-30万円
15日未満の治療期間12-20万円

被害者にも過失がある場合はそれも考慮され、罰金の額が決定します。

治療期間が 15日未満は不起訴になりやすい

原則として、治療期間が15日未満の場合には不起訴が原則となるため、罰金も免除されることが多くなります。

また、30日未満の場合でも原則不起訴になるといわれています。30日以上となると、相手にも過失かあるか、事故の態様はどうかなど総合的に考慮した上で起訴・不起訴が判断される可能性が高いでしょう。

人身事故以外に交通違反がある場合は、反則金が加算されるので注意

上記でお伝えした罰金は刑事上の罰則です。これ以外にも人身事故を起こすと、行政上の罰則である反則金が課される場合もあります。

具体的には、人身事故以外に交通違反があるケースです。これは軽微違反者が反則金を支払うことで刑事訴追を免除することが目的です。違反点数に応じて課されることになります。

例えば、安全運転義務違反、赤色信号無視、追い越し違反なら普通車で9000円、急ブレーキ禁止違反、徐行場所違反なら7000円です。よくあるスピード違反なら、速度超過に応じて9000円〜30000円になります。

起訴はされなくとも、反則金は課される可能性がある点を覚えておきましょう。

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人身事故で起訴・不起訴で最低限知っておくべきこと

起訴・不起訴の違いは?

起訴・不起訴の最大の違いは、「裁判にかけられるかどうか」の違いです。

裁判には皆さんがテレビドラマで良く見る法廷に呼び出され…というものもありますが、呼び出されて1日でおわる略式起訴も含みます。

基本的には、裁判があるのか・ないのかの違いであるということを理解しておきましょう。

いつ、どのように起訴・不起訴が決まるの?

起訴・不起訴を決めるのは検察官です。

起訴権限に関しては、警察や裁判所などの他の機関は有しておらず、検察審査会を例外として検察官が独占的に支配しています。

起訴するかどうかについては、事故の内容や程度、示談があるか、反省はあるか、被害者の処罰感情はあるか、などを総合的に判断して決めることになります。

検察官は具体的に何を考慮するのか?

具体的な例としては、以下のような事情を考慮します。

《不起訴に傾く事情》

  • 初めての事故である
  • 被害者の負傷が軽い(1週間程度)
  • 過失の態様も重大でない
  • 相手への謝罪や補償を行っている

《起訴に傾く事情》

  • 何度も違反行為を繰り返している
  • 重大事故で死傷者が出ている
  • 重い障害が残る場合
  • 酒酔い、著しいスピード違反、危険運転、無免許運転行為がある
  • 反省の色がなく、示談も不成立

呼び出し・免停通知はいつ来る?

検察庁から、いつ通知がくるか、また警察からの呼び出し等がいつ来るかなどは決まっていません。

多くは事故から2週間〜1ヶ月程度といわれていますが、交通事故が多い場合や地域によってマチマチです。

事件処理が遅くなることもあるかもよくありますので、根気よく待つしかないのが現状です。

まとめ|人身事故を起こしても起訴は確定じゃない

人身事故を起こしてしまうと、真面目な人ほど「起訴されて裁判になる」と考えがちですが、実際には軽度の事故で裁判になることはほとんどありません。

悪質な違反でもない限りは、相手が1ヶ月-3ヶ月程度の負傷を負ったとしても、初犯であれば不起訴になることがあります。

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人身事故で不起訴なのに、免停になるのは変ではないですか?

人身事故を起こすと、刑事罰と行政罰の双方が課される可能性があります。不起訴は刑事処分に関することのため、行政上の処分である免許停止処分が課されることとは関係ありません。

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人身事故の罰金が払えません。分割で支払うことは可能ですか?

反則金は、分割支払いはできません。

罰金に関しては、検察庁にいって罰金が一括納付できないことを説明すれば、分割が認められる可能性はあります。しかし、認められる可能性は低く、「資産を売却してでも納付しなさい」との教示を受けるのが通常です。

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人身事故の罰金刑は必ず前科がつく?

刑事処分によって罰金が科せられるということは、有罪ということです。有罪になれば前科がつきます。

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保険会社が人身事故の罰金を負担してくれるか?

任意保険会社は交通事故の相手方に対する民事上の損害を賠償するものであり、行政上・刑事上の反則金、罰金はカバーされていません。

そのため、罰金は個人で支払いを負担する必要があります。

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