「あおり運転」の罰則強化!刑罰や行政処分について解説

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あおり運転車のトラブル

あおり運転に関する報道が連日テレビや新聞を賑わせています。

きっかけは、2019年8月に、高級外車のドライバーが蛇行運転の末に車を降りて後方を走行していたドライバーを殴打し、けがをさせた事件です。この様子はドライブレコーダーで一部始終が記録され、世間の注目を集めました。

この記事では、どのような行為があおり運転に該当するのか、そしてあおり運転をするとどのような刑罰や罰則が科されるのか解説いたします。

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あおり運転とは?

あおり運転とは、自動車などの運転中に他の運転者を煽り、交通の危険を生じさせる行為をいいます。

あおり運転の代表は他の車のすぐ後ろについて走行する行為(テールゲージング)ですが、それ以外にも、急な割り込み、幅寄せ、前方で急ブレーキを踏む行為、執拗にクラクションを鳴らしたりパッシングをする行為、夜間にハイビームで他の車の運転を妨害する行為、左側車線からの追い越し、蛇行運転、罵声を浴びせて相手を威嚇する行為などが含まれます。

このように、あおり運転とは運転中に嫌がらせをしたり過激な報復行動を取ること全般を指す用語で、明確な定義があるわけではありません。

あおり運転が世間の注目を広く浴びるようになったのは、2017年6月に東名高速道路で起きた死亡事故がきっかけです。この事故で逮捕されたドライバーは、執拗なあおり運転をしたのちに相手の車を追い越し車線で停車させ、後続の車による追突事故を引き起こしました。

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あおり運転と法律

あおり運転全般を規制する法律はない

あおり運転は交通の危険を生じさせる悪質な違法行為です。もっとも、あおり運転の行為の態様は様々なこともあり、あおり運転全般を規制する法律はありません。

とはいえ、個別のあおり行為は道路交通法違反となり、行政罰や刑事罰の対象となることがあります。

道路交通法や刑法に違反する可能性がある

道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を計り、道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とした法律に道路交通法があります。
他の車を煽ることを目的として行われる行為のなかには道路交通法に抵触するものがあります。
また、行為の態様が特に悪質な場合には刑法の暴行罪などに該当する場合があります。

行政処分が科される

あおり運転をすると、刑事罰の他に、交通違反による違反点数が加算されることがあります。違反点数が一定の基準に達すると、免許停止や免許取り消しなどの行政処分が科されます。

あおり運転の罰則強化

警察ではあおり運転等に対してあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査を徹底するとともに、積極的な交通指導取締りを推進しています。また、あおり運転等を行った者に対しては、危険性帯有(※)による運転免許の停止等の行政処分を厳正に行っています。

※ 「自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」には、危険性帯有者として、点数制度による処分に至らない場合であっても運転免許の停止処分が行われます。(免停)

参考サイト:警視庁「危険!あおり運転等はやめましょう

 

追記:2019年8月27日

「あおり運転」の対策のため、警察庁は道路交通法の関係規定の罰則強化について検討を始めた。あおり運転自体を取り締まる規定はないが、道交法の車間距離保持義務違反などが適用されることが多く、これらが対象になる見通し。新たな法整備の必要性についても検討する。

参考サイト:朝日新聞「「あおり運転」罰則強化の検討開始 新法整備求める声も

あおり運転「一発免停」

2017年12月16日に、警察庁は16日までに、車を使って暴行事件を起こすなどして将来的に事故を発生させる可能性があると判断した運転者に対し、交通違反による点数の累積がなくても最長180日間の免許停止ができる道交法の規定を適用して防止するよう、全国の警察に指示しました。
参考:「あおり運転「一発免停」で事故防止 警察庁

2017年12月16日から、「後方からの追い上げ」「急な割り込み」「蛇行運転」「幅寄せ」など、あおり運転に対して、累積点数がなくても、180日の免停という厳しい処分が下されるようになりました。

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道路交通法違反になる場合

前方の車に接近する行為

前方を走行する車にぴったりと付けてもっと速くように挑発したり、車線を譲るように強要する行為は、道路交通法26条の車間距離不保持違反となります。

道交法26条は、他の車の後ろを走行する際には、前の車が急ブレーキをかけたときでも追突を避けることができるために必要な距離を保たなければいけないとしています。

これに違反すると、高速自動車国道及び自動車専用道路の場合は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が、その他の道路の場合には5万円以下の罰金が課されます。

行政罰として、高速道路の場合は2点、その他の道路の場合は1点が加算されます。

不必要な急ブレーキをかけ追突を誘う行為

危険防止を必要としない急なブレーキをかけて後続車を挑発したり追突を誘発しようとする行為は、道交法24条の急ブレーキ禁止違反となります。

道交法24条は、危険を防止するためやむを得ない理由がないにもかかわらず、車を急に停止させたり、急ブレーキをかけることを禁止しています。

これに違反すると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が課されるほか、行政罰として2点が加算されます。

急な進路変更

他の車線から突然他の車の前に入り追突を誘発させる行為は、道交法26条の2第2項の進路変更禁止違反となります。

道交法26条の2第2項は、後続車が速度や方向を急に変更させることとなるおそれがあるときに車線変更をすることを禁止しています。

ウィンカーを出さずに進路変更を行った場合には、道交法53条1項が禁止する合図不履行になります。

進路変更禁止違反は5万円以下の罰金、合図不履行は6,000円の罰金の対象となるほか、行政罰として1点が加算されます。

左側車線からの追い越し

道路交通法28条1項では、追い越しをする車は原則として追い越される車の右側を通行しなければならないとされており、左側車線を利用した追い越しは、これに違反します。

追い越し違反は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象となるほか、行政罰として2点が加算されます。

ハイビームで他の車の交通を妨害する行為

道路交通法52条2条では、他の車と行き違う場合や他の車の後方を走行する場合で、他の車の走行を妨げるおそれがあるときは、ライトを消さなければならないとされています。

これに違反すると減光等義務違反となり、5万円以下の罰金の対象となるほか、行政罰として1点が加算されます。

幅寄せ

道路交通法70条には、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という規定があります。これは車の運転者に対して包括的に安全に関する注意義務を課すものであるとされています。

車を運転中に他の車に横から徐々に接近する行為はこの規定に違反し、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象となるほか、行政罰として2点が加算されます。

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刑法に違反する場合

特に悪質なあおり運転については、刑法の暴行罪、過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪、殺人罪などが適用される場合があります。

暴行罪

暴行罪とは、人に対し暴行を加えた場合で、相手が傷害を負わなかったときに成立する罪です。相手を突き飛ばした場合や頭を叩いた場合などはもちろん、脅す目的で相手に石を投げつけたり、相手に不快な思いをさせるために騒音を鳴らし続けた場合などにも暴行罪が適用されることがあります。

暴行罪で有罪になると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金または拘留もしくは科料の対象となります。

過失運転致死傷罪

過失運転致死傷罪は、車を運転する際に必要な注意義務を怠ったことにより相手に怪我をさせたり死亡させたりした場合に適用されます。

急ブレーキを踏んだり幅寄せをする行為は道路交通法で定められた注意義務に違反する行為ですので、このような行為により事故を発生させて相手を死傷されると過失運転致死傷罪に該当することがあります。

過失運転致死傷罪は7年以下の懲役、もしくは10万円以下の罰金の対象となります。

危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪とは、飲酒運転や赤信号無視など一定の危険な状態で車を運転して死傷事故を起こした場合に適用される違反行為です。

かつてはあおり運転で危険運転致死傷罪が適用されることは多くはありませんでした。しかし、平成29年に神奈川県の東名高速道路でワゴン車の夫婦がトラックに追突されて死亡した事故が世間の注目を集め、横浜地方裁判所が危険運転致死傷罪の成立を認めて以来、あおり運転で危険運転致死傷罪が成立する可能性は高まっています。

危険運転致死傷罪で有罪になると重い刑罰が科され、相手を負傷させた場合は15年以下の懲役刑、相手を死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役刑の対象となります。

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あおり運転対策ならドライブレコーダー

ドライバーの2人に1人があおられた経験をもっています。

ドライブレコーダーでトラブルを監視、記録することで、トラブル処理がスムーズに進めることができます。

あおり運転対策のドライブレコーダーなら、例えば下記のようなものがあります。

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まとめ

あおり運転には社会の厳しい目が向けられており、今後罰則がさらに厳しくなることも予想されます。運転中にストレスを感じたときにあおり運転は絶対にしないことはもちろんですが、意図せずあおり運転に該当する行為をしてしまわないためにも、あおり運転の規制について正しく理解するようにしましょう。

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